イギリスで猛威をふるっているコロナウイルスの変異種。
感染力が従来のものより7割増しとも言われているこの変異種について調べてみたので、簡単にまとめました。
英国の変異種とは?
イギリスで発見された変異種について、ネット上の情報を集めてみました。
- この変異種は「VUI-202012/01」と命名⇒詳しくは国立感染症研究所へ
- 英国の調査で変異種は9月に出現
- 11月半ばまでは市中に広がりは少なかった
- 11月後半にロックダウンしてもケント州で感染率が下がらず、調査した結果、変異種による感染例が増えている事が判明
- 従来のものより感染力が70%高い
- 重症化率や致死率は従来と差はない
- 変異種が従来より重症化や致死率を上げる証拠は現時点では見つかっていない
- 感染者1人が平均して移す人数を占める「実行再生産数」を0.4ポイント押し上げている
- ワクチンの有効性に影響を及ぼすかどうかは確認されていない
- 英国の「新型呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ」は、従来のウイルスと異なり子どもも大人と同様に感染しやすい可能性があるとの見方を示す
- ハンコック英保健相は変異種の感染が「制御不能」に陥っていると警告
- WHOは変異種はパンデミックで通常見られることとし、過度に警戒する必要はないとの見解を示す
この変異種は、世界に広がりつつあります。
- イタリア、デンマーク、オランダ、オーストラリアで変異種による感染者を確認
- 香港でもイギリスから入国した2人から、遺伝子的に同じウイルスを確認
- シンガポールでも、英国からの帰国者から変異種を確認
- ただし、ゲノム解析が行わる例が少ないため、実際には他国にも広がっている可能性あり
この変異種の感染拡大を受けて、各国ではイギリスからの入国に制限をかけ始めています。
- フランスは21日午前0時から48時間、英国からの入国を禁止⇒23日に一部解除
- イタリア、ベルゴーオランダ、オーストリア、ルーマニア、ブルガリアなどが英国からの入国を規制
- フランスやドイツ、アイルランドなど欧州各国は20日、一斉に英国からの航空便や鉄道、フェリーなどの乗り入れを禁止し、EUも対応を協議
- 24日時点で、EU各国のほか、ロシア、カナダ、インドなど40か国以上が航空便の乗り入れ停止等の入国制限
- アメリカでは入国禁止に踏み切らない政府に対し、ニューヨーク州の知事が連邦政府に苛立ちを表し、独自に3つの航空会社に対し、NYに向かうとうじょうしゃを検査するよう要請し、いくつかの会社と合意
英国の内情はこのようになっています。
- 英政府は19日、ロンドンとイングランド南東部に20日から厳しい社会規制をかけると発表。生活必需品を扱う以外の商店以外は営業禁止、不要不急の外出が認められないなど事実上のロックダウン
- 現状では感染者の6割超がこの変異種によるもの
- 新規感染者数が過去2週間で2倍近くに増加
- 物流停止により、生鮮食料品が品薄になる等の影響が出始めている
日本政府の対応は現時点ではこのようになっています。
- 24日から英国に滞在歴のある外国人の英国からの新規入国を一時停止
- 英国から帰国する日本人には、27日からの帰国者から出国前72時間以内の検査証明の提出を求める
- 英国から帰国した7日以内の短期出張者に認めていた14日間の待機免除措置を一時停止する方向で調整に入る
この変異種の問題は主に下記の3点です。
- 感染力が強い(従来の1.7倍)
- 子供には感染しにくいと言われていたが、この変異種は子供も大人と同じ用に感染する
- 開発中のワクチンが効くかどうかが不明瞭
ワクチンに関しては、ファイザー社とモデルナ社が変異種に有効かどうかの実験を行うと発表しています。
また、南アフリカ共和国でも変異種が発見されましたが、こちらはまた別物だそうです。
ただ、南アのウイルスは感染力がより強くなっている可能性がある上、若年層で重症化しやすいとの声もあります。
また、この変異種は既にイギリスでも確認されています。
変異種はパンデミック時にはよくある事とWHOは冷静な対応を呼び掛けていますが、ただでさえ感染力が強いと言われているコロナで、更に感染力が高い変異種が広がると、感染者は爆発的に増える可能性もあります。
以上、イギリスの変異種についてでした。
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