9日、北海道などで感染者が急増している事を受け、コロナの政府分科会が開かれました。
その後尾身会長が会見を行い、感染防止のための「5つのアクション」を提言。
この「5つのアクション」について、簡単にまとめました。
現在のコロナの感染状況
現在の新型コロナウイルスの国内での感染状況は下記の様になっています。
<国内の新規感染者の推移・Yahooより>

9月末頃~10月20日過ぎまでは終息しつつあるように見えましたが、10月下旬から増加傾向にあり、11/15からの3日間は1千人を超えていました。
<国内の感染者の推移>

こちらは累計感染者から退院した人を引いた、治療中の人の数です。
こちらも9月~10月20頃までは増減せず一進一退の状況でしたが、10月後半からは増加に転じています。
また、県別では昨日感染者が0だった県は10のみで、多くの県で感染者が出ています。
特に北海道や大阪、なら、愛知、岐阜などで増加傾向が強くなっています。
特に感染者が急増しているのが北海道で、昨日は1日当たりの新規感染者数が200人(うち札幌市が158人)と過去最多となっています。

北海道では繁華街のススキノなどでクラスターが発生し、酒類を提供する店以外にもコロナ患者を受け入れている基幹病院や特養ホーム、無認可保育園などで発生しています。
道は警戒レベルをステージ「3」に引き上げ、ススキノには時短営業の協力要請をするなどしていますが、現時点では感染に歯止めがかかっていない状況です。
政府分科会の提言内容について
これらの状況を踏まえ、政府のコロナ分科会は昨日、会見を行い、その中で感染抑制のための「5つのアクション」などを提言しました。
提言した「5つのアクション」とは?
「5つのアクション」の内容は下記のとおりです。
- 今より踏み込んだクラスター(感染者集団)対応
- 感染リスクについて、若年層や飲み会参加者にも伝わる情報発信
- 店舗や職場などでの感染防止策の確実な実践
- 国際的な人の往来の再開に伴う取り組みの強化
- 感染対策検証のための遺伝子解析の推進
上記以外にも
- 年末年始の休暇の分散
- 小規模分散型旅行の推進
- 保健所機能および医療提供体制の強化 など
酒類を提供する店でのクラスターも多発しているため、「感染リスクが高まる5つの場面」や「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」を一人ひとりが理解し、実践する事が大事です。
「感染リスクが高まる5つの場面」について
分科会は上記の「5つのアクション」の他、「感染リスクが高まる5つの場面」について、先月明らかにしています。
- 「飲酒を伴う懇親会等」
・飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する
・聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。
・狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると感染リスクが高まる
・回し飲みや箸などの共用が感染のリスクを高める
- 「大人数や長時間に及ぶ飲食」
・長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒で感染リスクが高まる。
・大人数(5人以上)の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなる
- 「マスクなしでの会話」
・飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。
・昼カラオケなどでの事例が確認されている。
・車やバスで移動する際の車中でも注意が必要
- 「狭い空間での共同生活」
・長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。
・寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例の報告あり
- 「居場所の切り替わり」
・休憩時間などに居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある。
・休憩室、喫煙所、更衣室で感染が疑われる事例あり
①や②はこれまでの飲食店でのクラスターの多くが、この条件に当てはまっていました。
また③では飲食店従業員が客がいない時や休憩中等にマスクを外して会話した事でクラスターになった事例があります。
④は運動部の寮生活で、⑤では喫煙所で一緒になった人からの感染が確認されるなど、同じ空間でマスクを外した事などが原因とみられる感染が起きています。
「感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫」について
それでも、これからは忘年会シーズンなどもあり、飲み会の機会を持つ場合もあるでしょう。
その際の感染を防ぐための注意点はこちらです。
- 感染拡大防止ステッカーがある店を選ぶ
- 普段から一緒にいる人と行う
- 少人数・短時間で行う
- 酒量は控えめにし、深酒・はしご酒などはしない
- 箸やコップは使い回ししない
- 座席の配置は正面や真横はなるべく避ける
- 会話する時はマスクを着用
- 換気を適切に行う
- 体調が悪い場合は参加しない
- 接触確認アプリ(COCOA)の利用
会社全体でやっていた忘年会は、部ごと、課ごとなど少人数で行うだけでも感染リスクは低くなります。
また、家族に子供や持病持ちの人、妊婦、高齢者がいる場合、参加を強要しない事も大事です。
中々会社の飲み会は断りにくいものですが、コロナ禍の中では希望者のみで断わりやすい環境作りを心がけ、出席を強要するのはやめましょう。
また、店を選ぶ場合は感染拡大防止ステッカーがあり、ガイドラインに沿った感染防止策を行っている店にしましょう。
また、不特定多数の人が行き交うため、接触確認アプリ(COCOA)をインストールしておきましょう。

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