埼玉県さいたま市にある劇団の稽古場で発生したコロナの集団感染(クラスター)について13日に新たに4人の感染が判明し、これで同劇団関連の感染者は72人になりました。
ここまでの人数が感染したこのクラスターについて調べてみました。
「ミュージカル座」とは
今回クラスターが発生した「ミュージカル座」は、1995年、国産ミュージカルの捜索を目指して設立された劇団です。
国内で数少ないオリジナルのミュージカル作品を作っている数少ない劇団の中の一つで、これまでに「ロイヤルホストクラブ」、「カムイレラ」「プロパガンダ・コクピット」などを手掛けていました。
複数のミュージカル作家や作曲家、演出家が捜索を競い合うクリエイティター集団に進化して、毎年10本を超える公演を行うなど活発な活動を続けていました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で公演は中止、収入減を断たれて劇団存続の危機となりました。
4月にはクラウドファンティングで支援を要請し、1188人から1377万円の支援金が寄せられ、8月には3公演を上演していました。
現在は設立25周年記念のミュージカル「ひめゆり」の公演に向けて稽古中でした。
これまでの劇団クラスターの経緯
このクラスターについて、まずは時系列にしてみました。
日時 | 事象 |
10/4 | 劇団の稽古を行う(13時~18時) |
10/6 | 劇団の稽古を行う 夜、稽古終了後に出演者より、自身が他現場での陽性者の濃厚接触者の疑いがあり、検査を受け翌7日に結果が出るとの連絡 |
10/7 | 午前中に他の出演者3人が発熱し、PCR検査を受ける 午後、関係者の男性1人の陽性判明 他の出演者に自宅待機の連絡を行い、体調不良者には検査を勧める |
10/8 | 稽古に参加していた役者やスタッフに検査を受けるよう指示 |
10/10 | 61人の感染を確認(累計62人) 埼玉県では過去最高の100人の新規感染者を確認 |
10/12 | 新たに6人の感染が確認(累計68人) |
10/13 | 新たに4人の感染を確認し(累計72人) |
最初の感染者が判明したのが10/7と1週間前なので、今後も感染者が増える可能性がありそうです。
また、下記の事が判明しています。
- クラスターが起きたのはさいたま市内にある劇団「ミュージカル座」
- 出演者や劇団員等91人中72人が感染
- レッスンの参加者など合わせて24人を新たに濃厚接触者として検査
- 観客の感染者は確認されていない
- 感染者は埼玉県外在住者もいる
- 13日の4人は埼玉県外で判明
- 今のところ軽症や無症状で重症者はいない
感染防止策は十分だったのか?
同劇団は手洗いやうがい、検温、手指の消毒やマスク着用、換気や換気用ファンの設置のほか、外食禁止などの感染防止策をとっていたとの事です。
また、演出の変更や稽古内容で出演シーンがない出演者は休みにする、稽古の前後で稽古場などの消毒作業を行う、手すりや廊下、靴裏なども消毒するなど、かなり細かい対策をとっていました。
感染がここまで広がった経緯などはまだ解明されていませんが、同劇団はかなり慎重に感染防止策を取っていたとの事。
今後の感染防止のためにも、調査報告が待たれるところです。
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