新型コロナウイルスがヒトの皮膚の上でどれくらいの期間、生存出来るか?
この問題について、京都府立医大の研究チームが新しい研究結果を発表しました。
コロナの寿命はインフルの5倍?
新型コロナウイルスが、ヒトの皮膚の上でどのくらい感染力を維持できるかについて、京都府立医大の研究チームは、「9時間程度維持できる」との研究結果が、米医学誌「クリニカル・インフェクシャス・ディジージーズ」に公表されて話題になっています。
実験は、献体された遺体で行われ、インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスをそれぞれ約10万個遺体に付着させて、その後のウイルスの量をみると言うもの。
この実験では、インフルエンザウイルスが検出されなくなるまでの時間は1~2時間(中央値1.8時間)だったのに対し、新型コロナウイルスは6~11時間(中央値9時間)と、インフルエンザウイルスの約5倍の寿命を持っていた事が判明しました。
ちなみに遺体の皮膚の状態が生きている人の皮膚と同じかについては、インフルエンザウイルスを使った別の実験で確認済みです。
研究結果のまとめ
- 新型コロナウイルスは人の皮膚上では6~11時間程度生存する
- インフルエンザウイルスは1~2時間程度生存する
- 人の皮膚はガラスやプラスチック等と比べるとウイルスの生存には不向き
- 新型コロナウイルスは80%エタノールによる15秒の消毒で感染に不活化
- これにより手指消毒の重要性を実証
もし朝、どこかでウイルスが手や顔に付いた場合、最長半日も感染力を持ったままいるって事ですね。
その間に、ウイルスがいる場所を触らなけばいいのでしょうが、意外に人は手で顔や口を触ってしまうものです。
よく、家に帰ったら手指だけではなく顔も洗った方がいいと言われますが、コロナの場合はよりその必要性が高そうです。
<補足>皮膚以外での生存期間
以前、コロナウイルスの物質の上での生存期間について書いた事がありました。

その時の内容を、補足の意味も兼ねてもう一度紹介します。
下記の表は、新型コロナウイルスの物質上の生存期間です。
物質名 | 温度 | 持続(生存)時間 |
エアゾロル | 室温 | 3時間 |
アルミニウム | 21度 | 2~8時間まで |
衣類/繊維 | 室温 | 48時間まで |
木材 | 室温 | 4日まで |
紙 | 室温 | 4/5日間まで |
鋼鉄・陶器・テフロン・金属・シリコーンゴム・ガラス・塩化ビニール | 室温又は21度 | 5日間まで |
プラスチック | 室温 | 2~6日間まで |
こちらはグラフ化したものです。

プラスチックなどに比べると皮膚上での寿命は短いですが、それでも半日近くも皮膚の上にいられると思うと怖いですね。
やはり小まめな手洗いや手指の消毒、洗顔は、インフルエンザが流行し始めるこれからの時期、益々重要になってきそうです。
また、寒くなってくるとコートや手袋などを着用する機会が増えますが、衣類の上での生存期間は48時間と言われています。
家の中にウイルスを広げないためにも、帰宅後は脱衣所へ直行して服を脱ぎ、手と顔を洗う習慣をつけるとより安心でしょう。
ウイルスは通常の洗濯でOKなので、手袋などは洗い替えを用意して毎日洗った方がよさそうですし、コートも洗濯しやすい素材や形の物を選んだほうが安心ですね。
今年はコロナとインフルエンザの同時流行が懸念されますが、感染が広がった場合に備え、冬の服装もコロナ仕様に変えておいた方が安心かもしれません。
