子供の事件・事故

永平寺町で起きた娘殺害事件で母親に執行猶予判決

2019年9月、永平寺町の住宅で起きた、中学生の娘の殺人事件。

この事件の判決が昨日、福井地方裁判所で言い渡されました。

これまでの情報のまとめ

この事件に関する概要はこちらです。

  • 発生日時
    2019年9月2日午後10~11時ごろ
  • 被害者
    容疑者の娘で当時中学生2年生の真希さん(13)
  • 事件発生場所
    福井県永平寺町松岡末政
  • 住宅1階で真希さんが首にロープのような物を巻き付けられて窒息死した状態で見つかる
  • 父親の誠容疑者は2階で首をつっている状態で発見、死亡を確認
  • 真希さんの死因
    頸部圧迫による窒息死
  • 容疑者
    母親の中川洋子(47)(勝山市役所職員)
    父親の中川誠(45)(会社員)
  • 外傷があり、殺人事件として捜査
  • 事件があった住宅は家族が15年ほど前に建てて暮らしていたが、今は勝山市に転居。永平寺町の住宅は売らず、そのまま所有していた
  • 犯行前日に夫から心中を提案される
  • 犯行数時間前に睡眠薬入りハンバーグを真希さんに食べさせる
  • 裁判は裁判人裁判(裁判員制度)
  • 洋子容疑者は「夫が娘の首を絞めて殺した」「自分も死ぬつもりだった」と供述

事件の時系列はこちらです↓

日時 概要
2019年6月 洋子容疑者が病気を理由に休暇を取る
9月1日 誠容疑者から心中の提案
9月2日午後10~11時ごろ 誠容疑者が真希さんの首をロープで絞めるなどして殺害。その後誠容疑者は首をつって自殺
9月3日午前7時15分ごろ 洋子容疑者が警察に「夫が子供の首を絞めて殺した」と通報し、10分後に警察が到着、2人の遺体を発見
9月4日 洋子容疑者を逮捕
時期不明 誠容疑者は不起訴処分
9月17日~2ヶ月間 洋子容疑者を鑑定留置。うつ病と診断
11月18日 検察が責任能力を問えるとして起訴
2020年7月14日 初公判で起訴内容を認める
7月17日 論告求刑で懲役5年を求刑
7月27日 懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決

検察・弁護士の主張は?

この裁判では、下の様に検察と弁護士の主張が分かれていて、責任能力の有無が焦点の一つになっていました。

検察側
夫の借金が発覚し、うつ病と相まって「このままでは生活できない」と思いこみ、将来を悲観して夫に自殺を打ち明けたところ、一家心中を提案されて犯行を決意した。
うつ病で心身衰弱だったが、「ハサミを持って行った方がいい」等と夫に提案していて、「夫が立てた計画の不備を指摘し補充している」「犯行数時間前に睡眠薬入りハンバーグを真希さんに食べさせる」など、責任能力が失われたとは言えないと主張
弁護士側
重度のうつ病と薬の影響で意識がもうろうとし、多額の借金を抱えていた夫からあった一家心中の提案を思いとどまれなかったほどの心神喪失の状態だったとして無罪を主張

心身衰弱か心神喪失かが焦点の一つでした。

判決内容は?

この事件の判決は昨日、福井地方裁判所でありました。

河村宜信裁判長は懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡しました。

ちなみに執行猶予とは、刑を執行するまでの猶予期間ではなく、執行猶予期間に問題がなければ刑を消滅させるという意味での執行猶予です。

執行猶予(しっこうゆうよ)とは、判決で刑を言い渡すにあたり、犯人の犯情を考慮して、一定の期間(執行猶予期間)法令の定めるところにより刑事事件を起こさず無事に経過したときは刑罰権を消滅させる制度。
執行猶予期間の経過によって刑の言い渡しの効力が将来的に消滅する結果、いわゆる(狭義の)前科にはならず、通常、「資格制限」も将来に向けてなくなる。

ウィキペディアより

河村裁判長の言葉はこちらです。

「重度のうつ病が犯行に与えた影響は大きかった」
「親の都合でこの命を奪う判断をしたのは身勝手だが、非難できる程度は限定的だった」
「長女に手をかけられないと思ってすぐには決断できず、その時点では犯行を思いとどまっている」
翌日までの間に症状が悪化した事を示す事情もなく、「心身衰弱にとどまる」
準備段階で夫に意見する等「自発的で合理的な思考が一定以上あった」
「何の事情も知らないまま未来を奪われた被害者の無念の大きさは、察するに余りある」
「重度のうつ病の影響で判断が非常に難しい状態」

福井新聞、日刊県民福井より

また、犯行動機は下記の様に判断されました。

うつ病の服薬によって思考能力が低下、更に夫の借金発覚で死を考えるようになったとして、精神障害による判断力の低下が心中の決断に至った

判決後の弁護士のコメントはこちらです。

「他の選択肢がなかったということを十分に理解していただけなかったのは残念」

 

また、今回の裁判は裁判員制度を利用し、男性4人女性2人の6人が裁判員を務めました。

判決後、6人のうち男性2人が会見を行い、下記の様に語りました。

大同佐紀彦さん
「精神状態を重要視する裁判で、公判の初日終了後は寝られなかった」

50代男性会社員
「感情で判断せず、一つ一つ証拠を検証した」
「かなり難しい事件だったのでしんどかった」

 

 


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