最近感染者が増加傾向の新型コロナウイルス。
日本ではそれでも落ち着いていますが、世界では感染者が1000万人を突破し、死者も50万人を超えました。
終息にほど遠い状況とも言われる新型コロナウイルスですが、昨日、日本の製薬ベンキャー企業が、国内初のワクチンの治験を始めました。
国内初の治験は大阪の製薬ベンチャー企業
国内初の治験を開始したのは、大阪のベンチャー企業アンジェスです。
アンジェスの概要はこちらです↓
- 設立:1999年12月17日
- 創業者:森下竜一(大阪大学医学部助教授:当時)
- 本社:大阪府茨木市
- 大学発創薬型バイオベンチャー(遺伝子治療薬の創薬企業)
- 2002年9月に東証マザーズに上場
会社は大阪大学の近くになります。
ワクチン開発のスケジュールは?
一日も早いワクチン開発が望まれますが、今回始まるのは治験という工程です。
ちなみに、下は通常のワクチン開発の流れです。
通常のワクチン開発の流れ
通常のワクチン開発は、9~17年かけて作られています。

今回の新型コロナウイルスは被害が甚大な事もあり、特別に急ピッチでの開発になっています。
今回始まったのは治験
昨日から始まったのは、3番目の臨床治験(治験)です。

治験の流れはこちらです。

今回は、第一段階の「第Ⅰ相試験」が始まりました。
少人数の健康な成人に接種して、安全性や治験薬(薬の候補の事)がどれくらい体内に吸収されて、どれくらいの時間で体外に排出されるかも調べます。
アンジェスの開発は急ピッチ
今の時点でのアジェンスのウイルスの開発スケジュールはこのようになっています。
アンジェスは3/5に大阪大学と共同でワクチン開発を始め、3/26には非臨床試験を開始しています。
今回は、開発の第二段階の臨床試験(治験)の第一段階が始まりました。

今回は第一段階で、20~65歳の健康な人を対象に、ワクチンの投与量の多いグループと少ないグループ15人ずつに分け、2回ずつ摂取する予定です。
副作用や抗体が出来るかを調べ、今秋以降に治験を数百人規模に広げる予定です。
アンジェスのワクチンはDNAワクチン
アンジェスがこれだけ早くワクチン開発が出来る理由の一つに、ワクチンが「DNAワクチン」と呼ばれるタイプというのもあります。
「DNAワクチン」は新しいタイプのワクチンで、ウィキぺディアではこのように説明されています。
DNAワクチンは、病原体を構成する成分の設計図であるDNAをワクチンにしたもの。遺伝子ワクチンとも呼ばれる。
筋肉内に投与すると、DNAの指示にしたがって病原体の一部であるタンパク質を合成し、そのタンパク質に対する免疫が作成され疾患の治療に寄与するものである。次世代のワクチンで、抗原蛋白質をコードする遺伝子形で抗原を生体に接種するという、分子生物学的技術を取り入れた最先端の免疫法である。
しかしその一方で、DNAワクチンがなぜ効くのかの解明はあまり進んでおらず、より効果的なワクチンの開発や副作用の予防のためにも、免疫学的・生理学的作用メカニズムの解明が急がれている。
今回、コロナウイルスが急速に広がったため、従前の鶏卵を使用したワクチンの製造技術は生産性が低く、確実性がないことなどから、このDNAワクチンが注目され、各国が競うように研究しています。
DNAワクチンはウイルスそのものを使わないので、大掛かりで特殊な設備がなくても出来、一般的な製法と比べて短期間に大量製造できるそうです。
このため、今年度中に20万人分を生産できる見通しだそうです。
アンジェスでは来春の実用化を目指しています。
まだまだ新型コロナウイルス自体が研究中ですが、このパンデミックを食い止めるためにも、一日も早いワクチン開発を願います。
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