今日、6/28は福井で大地震が起きた日です。
福井地震は3年前の福井空襲で甚大な被害を受けた後の復興中に起きた地震で、また地震後は地震で弱くなっていた堤防が決壊して水害が起きるなど、甚大な被害を起こしました。
その福井震災について、簡単にまとめました。
空襲の後の復興途中での被災
この福井地震は3年前の福井空襲を受けて焼け野原になった後の復興中に起きた地震です。
福井空襲の概要はこちら↓
- 1945年(昭和20年)7月19日の午後11時24分から翌日午前0時45分にかけて
- 127機のB-29による81分間の集中攻撃
- 使用された焼夷弾は10万本以上
- 福井市街地の損壊率:84.8%
- 罹災者:85,603人(当時の人口は103,049人)
- 罹災世帯:21,992世帯(当時の世帯数25,691世帯)
- 死者:1,576人
- 重軽症者:6,527人(うち108人はその後死亡)
- 焼失家屋:2万戸以上
- 地方への爆撃は富山市、沼津市について全国トップクラス
- 同時刻帯には茨城県日立市、千葉県銚子市、愛知県岡崎市が空襲を受ける
このように、福井空襲で福井市は甚大な被害を受けていました。
空襲から3年後の地震当時、多くの人は仮設のバラックと呼ばれる建物に住むなどしていたため、倒壊率が高くなり、被害拡大につながったと言われています。
福井地震の概要
福井空襲から3年後に起きた福井地震。
やっと空襲から立ち直り、生活が落ち着き始めた頃に起きたこの地震の概要は下記の通りです。
- 発生日時
1948年(昭和23年)6月28日午後4時13分頃発生 - 震源地
福井県嶺北地方北部(福井市の北北東約10km、現在の坂井市丸岡町付近) - 地震の規模
マグニチュード7.1(震度6/烈震) - 震源の深さ:15km
- 被災者:21万4500人(当時の人口の7割)
- 死者:3,769人
- 負傷者:22,000人以上
- 全壊した家屋:36,000戸
- 都市直下型地震
- 遠くは茨城県水戸市、佐賀県佐賀市でも震度1を観測
あまり知られていませんが、福井地震は第二次大戦後に発生した震災としては、東日本大震災、阪神・淡路大震災に次いで、3番目に多い犠牲者を出した地震です。
また、地割れに挟まって死傷するなど、珍しい例も報告されています。
この地震では57件の火災が発生して、福井市の焼失面積は市街地の約6割、東京ディズニーランドとほぼ同じ面積になりました。
火災は鎮火までに5日かかったそうです。
前例のなかった倒壊率100%
震度6は当時では最大で、特に被害の酷かった福井県坂井郡金津町(現あわら市東部)、丸岡町および春江町(現坂井市南部)、吉田郡森田町(現福井市北部)では、殆どの家屋は倒壊しました。
この家屋の倒壊率100%は、過去に例を見ないレベルでした。
この倒壊率の高さを受けて地震の震度階級が見直されて、翌年1949年(昭和24年)には震度7(激震)が新設されました。
各地の倒壊率は下記の通りです。
福井県坂井郡金津町(現あわら市東部)、丸岡町および春江町(現坂井市南部)、吉田郡森田町(現福井市北部) | ほぼ100% |
福井市内 | 79% |
福井平野全体 | 60%超 |
また福井地震の被害調査結果を踏まえて、1950年(昭和25年)には建築基準法が制定され、木造建築物に対する耐震設計基準が導入されています。
この地震では、丸岡城が天守閣・石垣ともに全壊しています。
↓は震災で1階がつぶれて倒壊した7階建ての大和百貨店の写真です。

火災だけではなかった、福井地震の影響
福井地震は、3年前の空襲と地震後の火災によって被害がより拡大しましたが、実は被害はこれだけでは終わりませんでした。
地震の影響で、福井を流れる九頭竜川・日野川・足羽川の堤防が全延長140kmにわたって至るところで亀裂・陥没・崩壊するという二次災害(?)も引き起こしたのです。
特に震源に近かった九頭竜川では、堤防高が最大4.5m沈下していました。
このような状況の中、地震から約1カ月後の7/23から7/25にかけて、福井では梅雨前線の影響で大雨となりました。
7/25には九頭竜川左岸の中藤島村灯明寺で約300mにわたって堤防が決壊、福井市中心部が広く浸水しました。
この時の被害は下記のとおりです。
- 浸水家屋:7000戸
- 被災者:28,000人
- 浸水深:最大2.4m
- 浸水面積:1,900ヘクタール
福井市はこの後、排水機場や排水樋門などの整備など「昭和の大改修」と呼ばれる河川改修を行う事になりますが、当時は空襲・震災・水害で再起不能寸前とも言われるほどの甚大な被害を受けました。
福井地震のまとめ
- 福井地震は1948年6月28日夕方に発生
- 死者:3,769人
- 負傷者:2万2千人以上
- 倒壊した家屋:3万6千戸
- 直後に火災が起きて被害拡大
- 1年後には倒壊した堤防が決壊して水害発生
- 空襲・地震・水害で3重苦に
- 戦後では東日本大震災、阪神・淡路大震災に次いで3番目の被害者が出ている
- 倒壊率100%は前例がなく、のちに震度7が追加
- 建築基準法が制定されるきっかけになる
- 丸岡城が天守閣・石垣ともに全壊
地震が起きた場合、被害がそれだけで留まるとは限りません。
地震後は堤防が崩れたり弱まったりして水害が起きやすくなる他、余震で建物が崩れやすくなれば雪害が酷くなる可能性もあります。
また、今はコロナ渦で避難場所の不足が懸念されています。
福井豪雨から16年経ちますが、今は100年に一度の大雨が頻繁に起きるようになっています。
今一度家族で災害に遭った場合の連絡方法のルール作りや、防災食の準備、家の中の点検など、防災について話し合ってみましょう。
災害時に使えそうなリンク集
災害時に使えそうなリンク集を紹介します。
福井県の河川の水位やダム観測情報、河川カメラ、雨量など幅広い情報 ⇒福井県 河川・砂防総合情報
各地域の雨の状況や警報、注意報など ⇒大雨警戒レベルマップ(Yahoo)
雨量や河川の水位、ダムの放流情報 ⇒国土交通省「川の防災情報」
福井県内の防災に関するマップ ⇒ふくい防災マップ
福井県内の災害に関する情報サイト ⇒福井防災シグナル
福井県内の防災に関する情報(福井県公式)⇒福井県庁 危機対策・防災課
詐欺や事件、通行止めなどの情報⇒福井県警察Twitter
市町ごとの防災情報提供サービス(メール等)の登録はこちらからできます↓
⇒自治体がメール等により実施している住民向け防災情報提供サービス(福井県)
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