梅雨入りして、じめじめした日が増えてきました。
気温も上がり、これからの季節は食中毒が増える時期でもあります。
そんな中、家庭で気をつけたいのが、カレーやシチューで起きる食中毒です。
また火にかければ細菌も死ぬし問題ない!なんて思っていませんか?
火にかけても死なない細菌も実はいるのです。
食中毒対策は加熱
食中毒を防ぐ方法として、一番あげられるのは「しっかり火を通す」です。
食中毒の多くは、十分に火が通っていない生焼け状態で起きる事が多いからです。
その為、火さえ通せば食中毒は起きらないと考えがちですが…
実はそうでない細菌が、とても身近に存在しています。
火を通しても死なないウエルシュ菌
火を通しても死なない細菌、それは「ウエルシュ菌」という細菌です。
このウエルシュ菌はこんな細菌です。
- 人の腸内に存在する
- 動物の腸や土の中にも存在
- 酸素がない環境でのみ育つ「偏性嫌気性菌」
- 30~47度でよく増える
- 100度でも萌芽(カプセルのような状態)で生存
- 下痢を起こす「エンテロトキシン(腸管毒)」を作る
簡単にいえば、どこにでもいる菌で、煮込んで簡単には死にません。
過酷な環境になると萌芽というカプセルのような状態になって、危機(この場合は加熱)をやり過ごせるからです。
加熱する事で他の菌は死滅しますが、生き残ったウエルシュ菌は他の菌が死滅した邪魔のいない空間で一気に増殖します。
ウエルシュ菌の芽胞は、100度で10分間加熱すると死滅するそうですが、二日目のカレーをそこまで煮込む人も少ないと思われます。
下手をすると、中途半端な加熱が逆に増殖を招く事になってしまいます。
ウエルシュ菌の食中毒はどんな症状になるか?
このウエルシュ菌で食中毒になるとこんな感じです。
- 潜伏期間は6~18時間
- 症状は下痢、腹痛
- おう吐や発熱はあまりない
- 比較的軽症で1日程度で回復
- まれに血圧低下やショック症状を起こす
- 学校など大量に調理された状態で起きやすい
鍋が大きいとカレーの中に空気がない状態になり、食中毒が起きやすくなります。
2011年には、刑務所で1000人を超える食中毒も起きています。
原因になる食材は?
ウエルシュ菌は常在菌といってどこにでもいる菌なので、原因になる食材は様々です。
動物の腸に住むので肉・魚介類が、土壌にもいるので、根菜にも付いている可能性は高いです。
カレー、シチュー、マーボー豆腐、ロールキャベツ、肉じゃが、煮物、そぼろ料理などが危険です。
予防するには?
このウエルシュ菌での食中毒の予防は、室温で放置しない、です。
カレーなどは加熱したまま常温で放置はNGです。
今のご時世だと、テイクアウトやデリバリーの食品も危険ですね。
とにかく、常温に置きっぱなしにしないで、食べないなら冷蔵庫に保管する。
食べきれない場合は、さっさと冷凍保存してしまいましょう。
- 常温に放置しない
- 食べきれない場合は冷蔵庫や冷凍庫で保管
- 冷凍する場合は急速冷凍
- 食べる直前に加熱する
これから夏にかけては高温多湿になり、食中毒が増えます。
ただでさえコロナで病院に行きにくい状況なので、食中毒にも気をつけましょう。
最近の記事
新型コロナウイルスのワクチン開発でよく耳にする「治験」とは何か?簡単に説明します。
ふるさと納税を使って新型コロナウイルスで経済的に困っている学生を支援しよう!
石川県の知事がまたもや失言…「わが世の春」の次は「コロナとご縁」
北海道のコロナ患者が1209人に。昼カラで感染拡大が止まらない
レジ袋有料化でエコバックは必須アイテム。でも、そのエコバック洗った事ありますか?
新型コロナウイルスに感染後はどうなる?そう簡単には完全回復とはいかない可能性も…
石川県で東京から帰省した女性が新型コロナ陽性。移動自粛解除で始まるコロナ第二波
休校要請解除から3週間。学校に行きたがらない子が増加する中、親はどう対応する?
今年もヤツがやってきた!蚊取り線香の効果と効果的な使い方をご紹介
