新型コロナウイルスの感染が止まらず、昨日までに932万人が感染し、48万人余りが死亡しています。
この感染を食い止めるためのワクチン開発が急がれていますが、そのワクチン開発のニュースでよく出てくる治験。
気になり調べてみたので、この「治験」について簡単に説明します。
治験って何?
まず、治験とは何ぞや?って事ですが、ウィキペディアではこう紹介されています。
治験とは、医薬品もしくは医療機器の製造販売に関して、医薬品医療機器等法上の承認を得るために行われる臨床試験のこと。元々は、「治療の臨床試験」の略。
こう書かれてもピンと来ないかもしれませんね。
もっと簡単にいえば、こうです。
製薬会社が作った薬の候補を、実際に人で試して安全性や効果、適切な量を確認するために行う「臨床試験」の事。
臨床試験と治験、どう違うのかと思っていましたが、臨床試験=治験でいいみたいです。
動物実験じゃ100%と言えないから、最終的には人で試さないとね、って事ですね。
薬の候補を選ぶ⇒動物で確認⇒人で確認となり、この最後の「人で確認する」工程を「治験」といいます。
薬を作る工程は?
ちなみに薬を一つ作る過程は、ざっとこんな感じです↓
- 基礎研究(2~3年)
薬の元になる成分を探して可能性を調べる - 非臨床試験(3~5年)
動物や人工的に作った細胞で調べる - 臨床試験(治験)(3~7年)
実際に人で実験 - 承認申請と審査(1~2年)
治験薬を薬として承認して貰う申請と、その審査

こうしてみると一つの薬を作るのに、単純計算で数えると9~17年かかるようです。
しかも、薬候補の全てが薬として認められるわけじゃなく、殆どは途中で中止になるそうです。
そう考えると、製薬会社もそんなに割のいい商売とは言えなさそうですね
治験は三段階
さて、この人で実際に試してみる治験ですが、これも大雑把にいうと3つの段階になっています。
治験を行うためのルールは?
治験は人命にかかわる事なので、ルールを守り、正式な段階を踏まないと出来ません。
治験のルールはこちらです。
- 治験の内容を国に報告
- 治験審査委員会であらかじめ審査する
- 参加出来るのは同意が得られた人のみ
- 重大な副作用が起きたらすぐに国に報告
- 製薬会社は治験が正しく行われている事を確認する

一般的に治験は3~7年かけて行われます。
データ収集も目的の一つなので、薬を作る過程では一番時間がかかる段階です。
第一段階は「第Ⅰ相試験」という
治験の第一段階は、第Ⅰ相試験と呼ばれます。
この段階では、少人数の健康な成人を対象に、ごく少量から少しずつ投与量を増やして、安全性を調べます。
治験薬(薬の候補の事)がどれくらい体内に吸収されて、どれくらいの時間で体外に排出されるかも調べます、
第二段階は「第Ⅱ相試験」という
第二段階は第Ⅱ相試験と呼ばれます。
今度は健康な人ではなく、患者に治験薬を使ってもらいます。
次に、効果が期待できそうな少数の患者に、本当に効果があるのか?どんな効き方か?副作用はあるか?どれくらいの量や使い方がいいか?を調べます。
第三段階は「第Ⅲ相試験」という
最後の第三段階は第Ⅲ相試験と呼ばれます。
今度はたくさんの患者に治験薬を使ってもらい、効果や安全性の最終確認をします。
このように治験は3つの段階で行い、安全性などを調べています。
治験のまとめ
- 第一段階は少人数の健康な人で安全性などを確認
- 第二段階は少人数の患者で細かく確認
- 第三段階はたくさんの患者で最終確認
簡単に書くと↑ですが、実際は3~7年かかる気の長い作業になります。
今回の新型コロナウイルスでは、この治験などの期間を特例として大幅に短縮して行っています。
海外では9月には薬として認められる物もあるようですが、急いだ分安全性は大丈夫なのかがちょっと気になりますね。
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